令和時代の日本のかたち

LGBT権利運動の曲がり角

思春期の少女の性別違和の急増について、もう少し教えてください。---「被害者」が声を上げ始めたため、欧米ではかなり深刻な社会問題になっています。英国では性別移行治療を受けた女性が、元の性別に戻した後に医療機関を訴える事件も起きています。昨年の判決では、判断力の未熟な子供に対して、拙速に性別移行治療を行った医療チームが強く批判されました(現在、控訴中)。スウェーデンでも、治療を受けた後で後悔する人々の特集が放映され、大きな反響を呼びました。

思春期少女の性別違和が急増

思春期少女の性別違和が急増前回は同性愛者の支援についての話でした。---今日はトランスジェンダーと呼ばれる、生まれた時の性別と異なる性自認を持つ人たちについて考えましょう。実のところ、こうした性別違和を抱える人に対する支援についても、欧米では意見が分かれています。

本当に必要な当事者支援とは

同姓婚を求める理由として、当事者が不利益に苦しんでいるという主張についてはどうでしょう?---よく取り上げられる悩みは「病院などで家族として扱ってもらえない」「公営住宅に入れない」「遺産相続ができない」といったものです。ただ、これらの多くは現行法制度の枠内で対応可能です。

「子どもからの視点」で考えよう

引き続き札幌地裁判決について考えてみたいと思います。---先回、婚姻と「子供を産み育てる」ことが切り離されてしまっている問題点を指摘しましたが、そこに深く関わるのが「子供からの視点」です。これについては産経(3月22日)で池谷和子長崎大学准教授が指摘しました。仮に同性婚を男女の婚姻と全く同じ扱いにしてしまうと、生殖医療や特別養子縁組で子供を迎えるケースが想定されます。

「婚姻の本質」とは?

3月17日に札幌地裁で同性婚訴訟の判決がありました。---「同性婚を認めないのは違憲」ということで、画期的な判決との報道が駆け巡りました。翌日主要各紙では、朝日、毎日、東京が歓迎の社説を載せる一方で、産経は批判的な立場を取りました。

「ジェンダーレス」は誰のため?

米国の玩具「ミスター・ポテトヘッド」の名前からミスターが取り除かれるそうですね。---販売元である全米第2の玩具メーカー「ハズブロ」の上級副社長は、ブランド名変更について、「子供たちは彼ら自身の経験を表現したいと思っている。『ミスター』と『ミセス』という現在のブランドのあり方では、性自認と家族構成の両方の点で限界がある」と述べ、同性カップルに育てられる子供や、性自認に悩む子供たちの存在を理由として挙げました。

森発言と「過激なフェミニズム」

森元首相の発言が大きな波紋を呼び起こしました。---結果的に役職辞任に追い込まれましたが、過剰とも言えるバッシングに違和感を抱いた人も少なくありませんでした。発言には女性理事を高く評価する内容も含まれており、明らかな「女性蔑視」であったかは疑問です。立場上、不用意な発言でしたが、今回もメディアの「切り取り」報道の危うさが浮き彫りになった形です。

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