人と歴史

老後の社会奉仕に100万円寄付ー大阪船場の素封家 嘉門 長蔵

昭和8(1933)年、済生会大阪府支部、大阪府病院に思いがけない朗報が飛び込んできた。大阪・船場のメリヤス商で素封家、嘉門長蔵氏からの病院改築資金100万円の寄付である。これは資金的な問題を抱えていた病院にとって、開院以来最大の吉報だった。

空手の精神性 現代に伝えるー近代空手の父 糸洲 安恒

2021年、東京オリンピックで空手が新種目として採用され、男子「形」で沖縄県出身の喜友名諒選手が金メダルを手にした。長い年月をかけ受け継がれてきた日本空手の洗練された動きに、世界が圧倒された瞬間だった。

「彫刻は美しい虹のよう」ー彫刻家 本郷 新

今年1月26日から28日までの3日間、札幌市中央区の一角で「さっぽろ雪像彫刻展2024」なるものが開かれた。札幌の雪像といえば「さっぽろ雪まつり」が有名で、自衛隊の隊員や市民が参加する大規模なイベント。

千年も読み継がれた〝わけ〟ー平安時代中期の作家 紫式部

滋賀県大津市にある石山寺は、紫式部が『源氏物語』を書き始めた寺として知られる。  

白虎隊から東大総長へー物理学者、教育者 山川 健次郎

江戸末期、会津藩出身の山川健次郎は、日本初の理学博士であり、明治大正期、東京帝国大学の総長を務めた人物である。ペリーが再来した安政元(1854)年、会津若松城下に生まれた。9歳から藩校日新館で学び、15歳のとき白虎隊に編入。戊辰戦争時は籠城戦に加わり、敗戦を迎えた。

東南アジアとの交易で巨万の富を得るー戦国時代の貿易商 納屋 助左衛門

室町時代末期から安土桃山時代、異国への夢を抱き、情熱に燃えて呂宋(フィリピン)に渡った堺(大阪府)の貿易商に納屋助左衛門(生没年不詳)という人物がいる。

ゴローニン事件を解決した商人ー江戸時代後期の廻船業者 高田屋 嘉兵衛

北海道の南の玄関口となっている函館。市内を見下ろす函館山の麓に高田屋嘉兵衛の像が立っている。像の近くにある説明文には次のような下りがあった。  

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