幕府の官学に儒学を採用
儒者に転じた藤原惺窩から始まる
長い戦国時代が終わると、武よりも統治の学として文が重要になってきます。中でも、宋の指導理念として盛んだった儒学の一つ朱子学が注目され、その第一人者として諸大名に招かれていたのが藤原惺窩でした。
慶長5(1600)年、学僧との論争のため家康に呼ばれた惺窩は、僧衣を脱ぎ捨て道服姿で現れ、禅僧から儒者に転じたことを天下に公表しました。これが江戸儒学の劇的な始まりです。政治を中心に世俗倫理を説いたのが孔子由来の儒学ですから、悟りを目指す仏教より実務に適していました。
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