話したくなる 昔ばなし

フクロウの染物屋

何かの由来について説明する昔話を「由来譚」と呼ぶことがあります。今回ご紹介するのは、カラスの色はなぜ黒いのかを伝える由来譚です。(編集・石井孝秀)

人魚姫

今回は夏に合わせて海の物語、アンデルセンの名作をご紹介します。(編集・石井孝秀) 海の底の人魚の国に6人の姫がいました。

本所七不思議

今回は夏らしく、七不思議の物語です。いつもと趣向を変えて、落語風に「ご隠居」「熊五郎」の会話劇でご紹介しましょう。(編集・石井孝秀)

クマの皮を着た男

本日ご紹介するのはグリム童話で、人間の魂を狙う悪魔からの試練に挑む男の物語です。

カメと結婚した浦島太郎

浦島太郎といえば、日本を代表する昔ばなしの一つ。でも今回は、室町時代に「御伽草子」としてまとめられた、現代流布されているものとは少し違った浦島太郎です。

コウモリとイタチ

イソップ寓話に登場するコウモリといえば、自分の立場をころころ変える「卑怯者」のイメージ。ただ今回ご紹介するイソップの物語では、また別の教訓が垣間見えます。(編集・石井孝秀)

大根の恩返し

 私たちがよく知る古典作品には、ちょっと不思議な物語が記されていることもあります。今回は日本三大随筆の一つ、兼好法師の「徒然草」から、ある奇談を紹介します。 (編集・石井孝秀)  その昔、筑紫国(現在の福岡県)に押領使の男がいました。押領使とは平安時代、警察のような役割を果たしていた役職です。  この押領使の男は健康に気を遣うタイプだったようで、特に大根が大のお気に入り。「大根は万病に効く薬だ。わしは毎日食べているから、病気知らずなんだぞ」と豪語するほどで、毎朝、獲れたばかりの土の付いた大根を、2本も焼いて食べていました。  そんな生活が数年続いたころ、ある日突然、押領使の館が悪漢たちの集団に襲われたのです。運悪く館には押領使しかおらず、その隙を突かれて完全に包囲されてしまいました。  必死で戦うものの多勢に無勢。賊に追い詰められ、もはやこれまで…と押領使が覚悟を決めたその時、どこからともなく2人の兵士が助太刀に入ってきたのです。  助太刀の兵士は賊を相手に、命すら顧みない大立ち回りを繰り広げます。賊たちはどんどんなぎ倒され、とうとう尻尾を巻いて逃げ出していきました。  九死に一生を得た押領使でしたが、それにしても流星の如く現れた男たちに、一切心当たりがありません。不思議に思いながら、押領使は礼を言いつつ、「こんなにも命懸けで戦っていただくとは、いったいどこのどなたでしょうか」と尋ねました。  すると、男たちは「われわれは、毎朝お召し上がり下さっている大根でございます。あなた様が万病の薬と信じて下さるお心に、今こそ応えねばと思い、助太刀に参上した次第」と答え、そのまま姿を消してしまいました。 【解説】  鎌倉時代の随筆「徒然草」といえば、「つれづれなるままに、日暮らし」でよく知られています。学生時代に古文の授業で学んだという人も多いでしょう。世捨て人のように暮らす著者の自論のほか、見聞きした話も多数収録されており、大根の恩返しもその中の一つ。  「鶴の恩返し」や「分福茶釜」など、日本には数多くの報恩系昔話が存在していますが、大根が体を張って凶賊から守ってくれるとは、なかなかユニークですね。食べ物を好き嫌いする子供に聞かせてあげるのも面白いかもしれません。

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