令和時代の日本のかたち

児童虐待の背景にあるもの

最近、また虐待死の報道が相次いでいますね。---今月3日には高松市で、夫以外の男性宅で過ごすなどして15時間以上にわたり子供を車に放置、熱中症で死亡させた母親が逮捕されました。亡くなった子供は6歳と3歳。その日、同市は9月の観測史上最高となる37・6度を記録していました。二人がどんな思いで最後の時間を過ごしたのか、胸が締め付けられる思いです。

「性別違和」に自由な議論を

子供の性別違和については慎重になるべきですね。---はい。誤った思い込みで乳房切除を行ってしまったペニーさんのような少女を増やしてはいけません。しかし欧米では、性別違和を訴える子供に対して、本人の望む通りに呼び名や服装を変えたり、ホルモン治療などを実施すべきだという考えが主流です。一部には子供たちに、親の同意なしでホルモン治療を受ける権利を認める動きもあるほどです。

偏向情報で「性的違和」と誤認

先回のペニーさんの事例は衝撃的でした。---自らをトランスジェンダーだと思い込んだ少女ですね。彼女は胸を切除した後、もう一度、女性の体を取り戻したいと募金を始めました。しかし、欧米では既にこうした「脱移行者」が多数存在しており、その多くが女性です。

助け合いの「強み」を失う日本

前回、大平首相の「家庭基盤充実」政策についての言及がありました。---今、その提言(以下、大平提言)を読み直すと、実際のその後の日本とのギャップを感じ、複雑な思いになります。当時(1980年)はすでに、家庭崩壊や福祉依存による社会保障費の増大など欧米先進国の課題が浮き彫りになっていました。それに対してわが国では、行政の公的扶助をいたずらに膨張させるのではなく、個人・家庭の自立・自助努力を中心に、職場や地域社会の助け合い(相互扶助)を生かして、自助、協助、公助のバランスの取れた日本型福祉社会をつくろうと構想していました。

よみがえる田園都市国家構想

「家族回帰」以外にも何か変化があるでしょうか?---内閣府の調査では、若者の地方移住に対する関心が高まっていることも分かりました。特に東京23区では、地方移住により関心を持つようになった若者が3割以上となっています。

新型コロナと「家族回帰」

各方面でコロナ後に対する模索が始まっていますね。---今回の新型コロナが私たちの価値観や生活のあり方に大きな影響を与えたことは間違いありません。内閣府が実施したインターネット調査(5月25日~6月5日)でも、国民意識の変化が明確に表れていました。

米国分断は対岸の火事ではない

 先回は、米国の人種間格差に家庭崩壊が影響しているとのお話しでした。 ---実は家庭崩壊が生み出す格差の問題は、人種間にとどまりません。白人社会の内部でも格差は広がっています。60年代の「モイニハン・レポート」では、黒人社会での婚外子やひとり親家庭の多さが貧困を生み出していると指摘されていました。しかし現在では、白人社会でも婚外子比率は29%に上り、父親不在の家庭で育つ子供も20%に達しています。これは60年代の黒人社会と同じレベルです。その結果、白人の中でも貧困や虐待のリスクに晒されて育つ子供が増えています。

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