令和時代の日本のかたち

人口減少よりも深刻なこと

昨年(2020)に実施された国勢調査の速報値が出ました。---そうですね。人口減少は既に周知の事実ですが、5年に1度の国勢調査で改めてその事実が確認されました。1920年の調査開始以来一貫して増え続けてきた我が国の人口は、前回調査(2015)で初めて減少に転じましたが、今回も前回からさらに86万8000人減少、1億2622万7000人となりました。

行き過ぎた運動に反対する自由

英国で興味深い判決があったようですね。---はい。思想・信条の自由に関して重要な判決がありました。この裁判の原告はマヤ・フォーステイターという女性です。彼女は2015年からシンクタンク「世界開発センター」で客員研究員を務めていましたが、トランスジェンダーに関する議論が原因となって契約を打ち切られてしまいました。

差別禁止が新たな差別を生む?

LGBT理解増進法が大きな議論になっていますね。---はい。この法案は、そもそも野党側の「LGBT差別解消法」への対案として、自民党で検討されてきたものでした。しかし、野党との調整を経て「差別は許されない」との文言が入り、事実上の「差別解消法」になってしまったことで保守系議員が猛反発しました。

LGBT権利運動の曲がり角

思春期の少女の性別違和の急増について、もう少し教えてください。---「被害者」が声を上げ始めたため、欧米ではかなり深刻な社会問題になっています。英国では性別移行治療を受けた女性が、元の性別に戻した後に医療機関を訴える事件も起きています。昨年の判決では、判断力の未熟な子供に対して、拙速に性別移行治療を行った医療チームが強く批判されました(現在、控訴中)。スウェーデンでも、治療を受けた後で後悔する人々の特集が放映され、大きな反響を呼びました。

思春期少女の性別違和が急増

思春期少女の性別違和が急増前回は同性愛者の支援についての話でした。---今日はトランスジェンダーと呼ばれる、生まれた時の性別と異なる性自認を持つ人たちについて考えましょう。実のところ、こうした性別違和を抱える人に対する支援についても、欧米では意見が分かれています。

本当に必要な当事者支援とは

同姓婚を求める理由として、当事者が不利益に苦しんでいるという主張についてはどうでしょう?---よく取り上げられる悩みは「病院などで家族として扱ってもらえない」「公営住宅に入れない」「遺産相続ができない」といったものです。ただ、これらの多くは現行法制度の枠内で対応可能です。

「子どもからの視点」で考えよう

引き続き札幌地裁判決について考えてみたいと思います。---先回、婚姻と「子供を産み育てる」ことが切り離されてしまっている問題点を指摘しましたが、そこに深く関わるのが「子供からの視点」です。これについては産経(3月22日)で池谷和子長崎大学准教授が指摘しました。仮に同性婚を男女の婚姻と全く同じ扱いにしてしまうと、生殖医療や特別養子縁組で子供を迎えるケースが想定されます。

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