教育

子育てに向き合えない現代社会

家庭や地域社会の空洞化について、もう少し考えてみたいのですが。---最も分かりやすい数字は女性の労働人口比率ですね。少子化で生産年齢人口が年々、減少する中で、安倍政権の「女性活躍政策」は一定の成果を挙げ、2019年6月には女性の就業者数が初めて3000万人を突破しました。ここには前回も説明した「M字カーブ」の解消が大きく寄与しています。

「互助」を復活させるには?

家族や地域の助け合いである「互助」を強化するために何が必要でしょうか。---「互助」が弱くなってしまった原因はさまざま考えられますが、一つには職場と住居が離れ、仕事以外の関係性が薄れてしまったこと。もう一つには、家族や親族、地域コミュニティーのつながりを保つ上で要の役割を果たしていた女性たちが、労働市場に移行したことなどが挙げられるでしょう。

「自助·共助·公助」と「互助」

新政権が発足しましたね。---はい。菅義偉新総理は自民党総裁選で、「自助・共助・公助」を政治理念として掲げました。野党などは「政府の責任放棄」と批判しましたが、全くの的外れです。社会が豊かさを享受しようとすれば、まずは一人ひとりが自立(自助)した上で、お互いの不足を助け合い(共助)、そこからも漏れた人を国家が救済する(公助)という形を目指すのは当然のことです。ただ、あえて言うなら「自助・共助」の間に「互助」が必要ですが。

虐待の世代間連鎖防ぐには?

児童虐待の要因の一つに世代間連鎖が挙げられています。---ええ。最近の虐待死事件では、東京都大田区の例がそれに当たります。母親である梯(かけはし)沙希容疑者(24)は交際相手に会うために鹿児島に旅行、長女・稀華(のあ)ちゃんを8日間も放置して衰弱死させました。その母親自身が、実は子供の頃に虐待を受けていたのです。

虐待防止は夫婦関係の改善

児童虐待の背景について、もう少し深く掘り下げてみたいのですが。---前回、幾つか虐待が起こる要因を挙げましたが、その多くが夫婦の問題に関わっています。虐待問題を解決しようとすれば、夫婦関係を中心とした家族の問題に向き合わざるを得ません。

児童虐待の背景にあるもの

最近、また虐待死の報道が相次いでいますね。---今月3日には高松市で、夫以外の男性宅で過ごすなどして15時間以上にわたり子供を車に放置、熱中症で死亡させた母親が逮捕されました。亡くなった子供は6歳と3歳。その日、同市は9月の観測史上最高となる37・6度を記録していました。二人がどんな思いで最後の時間を過ごしたのか、胸が締め付けられる思いです。

「性別違和」に自由な議論を

子供の性別違和については慎重になるべきですね。---はい。誤った思い込みで乳房切除を行ってしまったペニーさんのような少女を増やしてはいけません。しかし欧米では、性別違和を訴える子供に対して、本人の望む通りに呼び名や服装を変えたり、ホルモン治療などを実施すべきだという考えが主流です。一部には子供たちに、親の同意なしでホルモン治療を受ける権利を認める動きもあるほどです。

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