特集

「信仰」と「文学」のはざまで 日本キリスト教文学の世界

『沈黙』『海と毒薬』で知られる遠藤周作や、『氷点』『塩狩峠』の三浦綾子など、日本には独自のキリスト教文学作家がいる。人間の理想を追求する信仰と、人間の生々しい生きざまを表現する文学。対照的な二つの狭間(はざま)で、文学者は何を思い、筆を執ったのか。作品の舞台を取材して見えてきたのは、彼らの静かな祈りだった。

同性婚訴訟の現在 現行制度「合憲」は東京高裁のみ

同性カップルの結婚を認めない民法の規定は憲法違反だとして、全国で6件起こされた「同性婚」訴訟の控訴審判決が出そろった。「合憲」は東京高裁1件のみ。最高裁は早ければ2026年内に統一判断を示す。それによってはわが国の一夫一婦制は根底から覆ることになる。同性婚訴訟の現在と、制度としての「同性婚」の問題点を探る。

スパイ防止法 公約化の背景

今年7月の参院選では複数の政党がスパイ防止法の制定を公約に掲げ、10月に発足した自民党・日本維新の会の連立政権政策合意書にも同法について検討を開始すると明記された。近年、中国の情報活動が活発化し、スパイ事件が欧米各国で起きている。スパイ防止法の必要性が叫ばれる背景と、同法がない日本の問題点を専門家のインタビュー、各国の状況などから探った。(スパイ防止法取材班)

【昭和100年】怪獣とヒーロー生んだ特撮

〝特撮〟とは、通常では撮影不可能な映像を制作する「特殊撮影技術」のこと。ミニチュア模型を使った過去の都市の再現や、炎の映像を合成した火災現場の再現などさまざまな技術が使われてきた。特撮によってゴジラをはじめとする怪獣やウルトラマンなどのヒーローが数多く誕生した日本。現在「特撮」はこうした作品を意味する単語としても定着している。昭和100年の節目、特撮の歴史を振り返る。

トランプVS米名門大 「文化マルクス主義」との戦い

米国でトランプ大統領と名門大学の対立が先鋭化している。トランプ政権が補助金停止などの圧力をかけて大学側に改革を迫るのは、「左翼の牙城」と化した大学が過激なイデオロギーを若者に植え付け、社会に浸透させている現状を国家の脅威と捉えているためだ。トランプ政権にとって、大学との対決は「文化マルクス主義」との戦いの最前線となっている。

止まらぬ被害、クマ対策が急務

日本国内で今年、クマによる被害者数が急増している。環境省によると、今年度の被害人数は9月末時点で108人。11月7日時点で13人が亡くなっている。死傷者が増える背景には、人間の生活圏にクマが出没するケースが増えていることがある。相次ぐクマ被害を抑えようと、自衛隊や警察による対応が検討されているほか、最先端技術である人工知能(AI)を活用した取り組みも各地で進められている。

新連立政権始動 高市内閣の課題

高市早苗自民党総裁が10月21日召集の臨時国会で第104代首相に指名され、初の女性首相が誕生した。公明党が26年続いた自民党との連立を解消したことで、高市氏は「総理になれないかもしれない、かわいそうな女です」とさえ語ったが、局面を変えたのは連立協議に応じた日本維新の会だった。自維連立で発足した高市内閣は、まず維新と合意した政策実現が一丁目一番地の仕事になる。

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