悦花繚乱 人物歳時記

<42>母・吉田登久子さん 太陽のように偉大な存在

私をこの世に産み育ててくれた母は、心身ともに健やかに、60年にもわたり、父と仲良く穏やかに暮らしてきた。母の存在は太陽のように偉大で、とても有り難く、心より感謝している。幼い頃から、家族のために栄養のバランスを考えた美味しい食事を作ってくれた。手先が器用な母は、得意の編み物で、可愛いセーターなどを編んでくれた。

<41>作家・杉本苑子さん 歴史の人間ドラマを描く

平成29年5月に亡くなった作家・杉本苑子(そのこ)さんから賜った俳句の色紙が、長いこと私の部屋に飾ってある。私が月刊『炎環』編集長の頃、赤坂の料亭で創刊20周年記念号だったかに掲載する対談でお話を伺った時にいただいたものだ。

<40>落語家・立川談志さん 古典落語に命吹き込む

「立川雲黒斎家元勝手居士」声に出して読むと、思わず苦笑してしまう戒名。ご本人が生前に考えて決めていたそうだ。

<39>詩人・塔和子さん ハンセン病と闘った70年

ハンセン病と闘った詩人・塔和子さん。瀬戸内海の島の療養所で、亡くなるまで70年にも及ぶ隔離生活を余儀なくされた。絶望的な療養所生活の中から生み出された作品は、力強い言葉で、生きることを肯定的に描き、人間の尊厳を問い続けた。

<38>映画監督・野村芳太郎さん 監督業に生涯尽くす

私が『砂の器』という映画を観たのは、封切りから歳月を経たリバイバル上映だった。四季の風景とともに登場人物の父子の哀しい心情、主人公のピアニスト・和賀英良が作曲・指揮するフルオーケストラの組曲『宿命』の調べに、彼自身の抗い難い「宿命」が重ね合わさり、壮大なスケールと荘厳な旋律に感動が渦巻いた。

<37>指揮者・朝比奈隆さん 指揮者人生を全う

93歳で亡くなる2カ月前まで、現役指揮者として指揮台に立った巨匠・朝比奈隆さん。ベートーヴェンやブルックナーの名演奏で世界的な評価を受けている。

<36>作詞家・放送作家 永六輔さん マルチな才能で活躍

私が最初に〝エイロクスケ〟という人物を認識したのは、浅田飴のテレビCMだった。「せき・こえ・のどに浅田飴」の甲高い独特の声と早口の喋り方は、子供心に強く印象に残った。

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