橋本愛が審査員に就任
東京の晩秋を彩るアジア最大級の映画祭、第37回東京国際映画祭が、10月28日から11月6日まで銀座・丸の内、日比谷、有楽町を中心に開催される。コンペティション部門の審査委員にこのほど、女優の橋本愛が決定した。このほか3人の審査委員も発表された。審査委員長を香港の俳優トニー・レオンが務めることが決まっている。
橋本は、2021年と22年に2年連続でアンバサダーも務めている。委員として参加することに「まさか自分が、東京国際映画祭で審査委員をやる日が来るなんて、思ってもみなかったことでした。世界の名だたる俳優、監督と役目を共にすることはとても緊張しますが、一生に一度しかない貴重な経験を、心に刻みたいと思います」とコメントを寄せた。
審査委員にはその他、2017年『心と体と』でベルリン国際映画祭の金熊賞を受賞したハンガリーの映画監督・脚本家のエニェディ・イルディコー、19年『今宵、212号室で』で第72回カンヌ国際映画祭『ある視点』部門の最優秀演技賞を受賞したフランスの女優キアラ・マストロヤンニ、05年に『エレクション 黒社会』がカンヌ国際映画祭に出品され、香港ノワールの旗手として名高い香港の映画監督・プロデューサー、ジョニー・トーが名を連ねる。
トニー・レオン審査委員長ら5人で、世界中から集まった作品の中でコンペ部門15作品を審査する。最優秀賞に当たる東京グランプリなど各賞は、11月6日に発表される。

東京国際映画祭は1985年に初開催され、カンヌ、ベルリン、ヴェネツィアの長い歴史を誇る三つの映画祭と肩を並べることを目標に開かれてきた。一方で、アジア作品をメインに東南アジア、中東、東アジア、中央アジアの映画作品を紹介する場ともなっているため、新進気鋭の若手からベテランまで幅広い作品が紹介されることでも貴重な映画祭ともいわれる。また娯楽・エンタメ系作品よりも、アート型作品といわれる芸術性や哲学的な作品を重視した傾向にある。
近年は、もともと映画祭の理念でもあった「若手制作者・監督育成」により力を入れており、支援、イベントの開催などに力を入れている。また女性監督、製作者に対する支援も行っており、今年はコンペを含めた主要9部門のほかにウィメンズ・エンパワーメント部門を新設し、女性監督作品や女性の活躍をテーマにした作品を紹介する予定だ。(佐野富成)