アニメ映画『ふれる』

人と人との「繋がり」とは

アニメ作品の舞台を巡る聖地巡礼の代表作と言われる青春三部作『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』『心が叫びたがってるんだ。』『空の青さを知る人よ』を手掛けた長井龍雪監督、岡田麿里脚本、田中将賀キャラクターデザイン・総作画監督の3人が再結集し、最新作「ふれる」が製作された。

3人の青年の友情物語に、間振島に伝わる伝説の生き物「ふれる」が登場する。テレパシーにも似た力で、人々の心を結び付ける謎の生物だ。

口下手でカッとなるとすぐ手が先に出てしまう小野田秋は、井ノ原優太と祖父江諒とけんかもするが、いつも一緒にいる。

ある日、秋はひょんなことから、謎の生き物「ふれる」を捕まえた。すると不思議なことに、優太と諒とはお互いの体を触れ合うと、テレパシーのように心の声が聞こえてくるようになった。

成長し20歳になった彼らは故郷の島を出て、東京・高田馬場で共同生活を始める。相変わらず口下手で人との関わりが苦手な秋(永瀬廉)は、バーでアルバイトをしている。コンプレックスが多めで、たまに卑屈気味な優太(前田拳太郎)はデザイナー志望の服飾専門学生。体育会系の諒(坂東龍汰)は不動産会社の社員になり、日々社会でもまれている。

そんなある日、秋が働いているバーの近くで浅川奈南(石見舞菜香)がひったくりの被害に遭い、それを目撃した秋は何かのスイッチが入ったかのように犯人を追いかけ捕まえる。

数日後、バーを訪れた見知らぬ女性は、ひったくり被害に遭った浅川奈南と友人の鴨沢樹里(白石晴香)だった。それが縁で、秋たち3人と奈南たちは交流を持つようになる。

秋は謎の生き物「ふれる」を捕まえた
秋は謎の生き物「ふれる」を捕まえた

秋の家には、あの「ふれる」がいる。奈南たちは見たこともない生き物に驚くが、見た目の可愛さもあって何の抵抗もなく受け入れていく。だが、樹里は3人の奇妙な関係に気づき始める。

一方、ある出来事がきっかけで秋、諒、優太は「ふれる」の力を通じて伝えたはずの心の声が聞こえないことに気付く。「ふれる」に隠されたもう一つの力が徐々に明らかになるにつれ、3人の友情は大きく揺れ動いていく……。

声の出演にはKing&Princeの永瀬廉、劇団EXILEの前田拳太郎。俳優の坂東龍汰は声優初挑戦となる。主題歌は本作のために書き下ろされたYOASOBIの「モノトーン」。

10月4日より全国公開。(森 啓造)

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