東京国際映画祭・各部門で上映作品決定

東京の日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区を中心に10月28日から11月6日まで開催される第37回東京国際映画祭で、オープニング、クロージングを含めた上映作品ラインナップ会見がこのほど、東京ミッドタウン日比谷BASE Q HALLで行われた。

映画祭の開幕を彩るオープニングは、「十一人の賊軍」(11月1日全国公開)でスタートを切る。同作は、鳥羽伏見の戦いから始まった戊辰戦争で、当初幕府側の奥羽越列藩同盟に加わっていた越後・新発田藩(新潟県新発田市)が官軍へ歴史的方針転換をした史実をもとに映画化した。元々60年以上前に脚本家の笠原和夫氏が手掛けていたが、映画会社と対立しお蔵入りとなっていた。この笠原版プロットをもとに、白石和彌監督が映画化した。出演は、山田孝之、仲野太賀、阿部サダヲら。

クロージングは、今年のカンヌ国際映画祭コンペ部門に選出された作品で、映画監督のマルチェロ・マストロヤンニ、生誕100年を記念し制作されたフレンチコメディ「マルチェロ・ミオ」。マルチェロとカトリーヌ・ドヌーヴの娘で女優のキアラ。ある夏の日、キアラは父親のようになることを決意し、服装から話し方、息遣いまで父のようになり、周囲から「マルチェロ」と呼ばれるようになる。監督はクリストフ・オノレが手がけた。出演はキアラ・マストロヤンニ、カトリーヌ・ドヌーヴ、ファブリス・ルキーニほか。

クロージング作品「マルチェロ・ミオ」©2024 L.F.P. ‐ Les Films Pelleas _ Bibi Film TV _ Lucky Red _ France 2 Cinema _ LDRP II _ Super 8 Production _ TSF
クロージング作品「マルチェロ・ミオ」©2024 L.F.P. ‐ Les Films Pelleas _ Bibi Film TV _ Lucky Red _ France 2 Cinema _ LDRP II _ Super 8 Production _ TSF

市山尚三プログラミング・ディレクターは「(『十一人の賊軍』は)かつて東映が得意としていた集団時代劇の伝統を引き継ぎ、アクション演出、美術セットなどあらゆる点において今の日本映画の最高峰のプロダクションバリューを有する作品です。(『マルチェロ・ミオ』は)主演のキアラ・マストロヤンニを始め、多くのフランスの俳優たちが実名で登場し、スターたちの実像とフィクションの境界を曖昧にさせる実験性を持ったユニークな作品です」とPRした。

一方、映画祭の顔ともいうべきコンペティション部門には世界110カ国・地域から2023本が寄せられ、上映作品として15作品が選ばれた。うち日本映画は「雨の中の慾情」(片山慎三監督、台湾との合作)、「今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は」(大九明子監督)、「敵」(吉田大八監督)の3作品が選出された。(佐野富成)

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