白血球と赤血球を中心に、体内細胞の人知れぬ活躍を擬人化して描いた漫画『はたらく細胞』。大人気を博したアニメ版に続き、実写映画が全国公開中だ。
永野芽郁、佐藤健、芦田愛菜ら豪華キャストをそろえ、37兆個の細胞を扱う作品だけに総勢約7500人のエキストラが参加した大作となっている。
健康的な生活を送るまじめな高校生・漆崎日胡(芦田)の体内では、赤血球AE3803(永野)が日々、酸素を体中に届け二酸化炭素を肺に運搬している。白血球U-1146(佐藤)はレセプター(細胞外からやってくる様々なシグナル分子)を駆使し、外部から侵入した細菌やウイルスなどの異物を検知、必要ならそれらを排除する。他にもキラーT細胞(山本耕史)、血小板(マイカピュ)ら無数の細胞たちが、健康と命を守るために日夜全力で働いているのだ。
一方、不規則で不摂生な生活習慣の父、漆崎茂(阿部サダヲ)の体内では、ブラックな労働環境に疲れ果てた細胞たちがいつも文句を言っている。親子でも体の中は全く違っていた。
ある時、仲良し親子の体内への侵入を狙う病原体たちが動き始める。漆崎親子の未来を懸けた、細胞たちの「体内史上最大の戦い」が幕を開ける。

本作は漫画『はたらく細胞』に加え、スピンオフ『はたらく細胞 BLACK』を基に実写映画化。監督は『翔んで埼玉』『テルマエ・ロマエ』の武内英樹。アクション演出を『るろうに剣心』の大内貴仁が担当した。主題歌は本作のために書き下ろしたOfficial髭男dismの「50%」。
原作はシリーズ累計発行部数1000万部を超え、保健室の先生がその分かりやすい解説に納得の太鼓判を押すほど。2017年にはフランスの新聞「ル・モンド」が選ぶ「この夏推薦する図書リスト」に選出されている。
撮影は日本全国21都市31カ所で行われ、一つの撮影で多い時には600人以上がメイクと衣装を撮影3時間前から準備したという。ロケ地となった東京国際フォーラム、和歌山県の「ポルトヨーロッパ」や茨城県「大洗シーサイドステーション」などを巡ってみても面白いだろう。(森 啓造)