札幌で頑張ってます!
澤田諦迷(さわだ たいめい)さん
「人生の中で仕事のことや人間関係、必ず行き詰まりがあります。そんな時に尺八を奏でることで心の入れ替えができる」
こう語るのは、札幌に在住し、明暗(みょうあん)尺八導主である澤田諦迷さん(74)。普化宗は歴史が古く、鎌倉時代に遡さかのぼる。禅宗の流れを汲み、尺八を法器として吹くことが禅の修行すなわち「吹禅」になるという。明暗尺八に出会ったのは30 代の頃。
「大学時代は剣道に浸かり、社会人になって尺八を習い始めたのですが、琴や三味線と共に吹く尺八には少し違和感がありました。そんな時、京都・明
暗寺から愛知県在住の師匠を紹介してもらい、そこで稽古しました」
当時は農業工学の技術者として働きながら博士の学位を取得し、時間の合間を縫って練習したという。
「仕事と練習の両立は大変でしたが、充実していました。今でも関西圏で開かれる献奏会には参加しています」と澤田さん。50 代で明暗導主として認められ、札幌に移住したのは今から8年前。「広い大地に憧れてきました」とのこと。
現在は、農業関係では後輩の指導をする傍ら、自宅を教室としマンツーマンで教授し、また地域の施設を使いながら定期的に尺八教室を開くなど普及に余念がない。
(湯朝 肇)