助け合いの「強み」を失う日本
前回、大平首相の「家庭基盤充実」政策についての言及がありました。—今、その提言(以下、大平提言)を読み直すと、実際のその後の日本とのギャップを感じ、複雑な思いになります。当時(1980年)はすでに、家庭崩壊や福祉依存による社会保障費の増大など欧米先進国の課題が浮き彫りになっていました。それに対してわが国では、行政の公的扶助をいたずらに膨張させるのではなく、個人・家庭の自立・自助努力を中心に、職場や地域社会の助け合い(相互扶助)を生かして、自助、協助、公助のバランスの取れた日本型福祉社会をつくろうと構想していました。
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