●感動しやすい人の特徴
幸せな人や成長する人は、日々の生活の中で喜びや嬉しさ、楽しさを実感し、「感動しやすい心」を持っています。感動する感性も、幸せな人生になるための大切な能力です。
「あなたは最近、何に感動しましたか?」という質問に対して、次々に思い浮かぶ人もいれば、しばらく考えないと出てこない人もいるでしょう。
ある人は、映画を見て、きれいな草花や夕日を見て、スポーツの観戦をして感動するなど、些細なことでも新鮮に喜びを感じ、感動する人がいます。一方、周りの人が感動していても、感動の涙や笑顔もなく、心が凝り固まって動かず、なかなか感動しない人がいます。
では、感動する人の特徴は何でしょうか? それは「価値を追求する能力」が高いことです。人の心の機能の中に「知情意」があります。その機能に合わせて「真美善」の価値を追求するようになっています。対象が人や万物、出来事であったとしても、そこに「真美善」を感じると嬉しく感動します。
具体的には、知的欲求に合わせて「真実や真理」を深く知り理解することで、喜びを感じ感動します。情的欲求に合わせて「美しい自然・美しい創作物・美しい姿」などを深く感じると、嬉しく感動します。
さらに、意的欲求に合わせて「為に生きる善行・最善を尽くす姿」などに触れると感動します。このように、真美善を追求する心が感動を生み出します。
●人を感動させる人の特徴
自分が感動するだけでなく、周りの人を喜ばせたり、感動させたりすることができるならば、さらに素晴らしいことです。人は誰もが、喜びがある程度を超えると「感動」という大きな喜びの感情になり、充実感や満足感を得ます。
感動させる人の特徴は、「価値を実現する能力」が高いことです。対象を通して真美善を追求するだけでなく、自分自身が真美善を実現しようとする姿勢です。
例えば、真実や真理を知るだけでなく、他の人に伝えることです。美しいものに触れて感動するだけでなく、自分が美しい姿になったり、美しいものを作ったりして、他の人に感動を提供することです。
また、善なる姿に感動するだけでなく、自分自身が他の人のために善を実践することで喜びと感動を提供することです。このように、真美善の人生を生きることで、自分自身が「真美善の実体」になることであり、「愛の実体」になることです。
人間関係では、相手の期待を下回ると「不満」が生じ、大きく下回れば「怒り」が生じます。反対に、相手の期待を少し上回るならば「喜び」が生じ、大きく上回れば「こんなにしてくれるのか!」と「感動」が生じるようになります。
ですから、相手の期待を上回る愛の心遣い、相手を喜ばせる創意工夫や知恵を高めるならば、相手を笑顔にさせ、感動させることができます。感動とは「感じて動く」と書くように、行動力も高めることができます。
感動には、「自ら動きたくなる気持ち」を刺激する最強のパワーがあります。43ともマスター講師 鹿島和人