文化

《8》札幌の街で聖句に向き合う

前章「連絡船」で23歳の主人公・信夫は北海道で暮らすため、青函連絡船に乗り、第13章「札幌の街」で親友の吉川と再会します。 信夫は吉川と3年ぶりに再会しても、自分が札幌に来た目的がいまだにはっきりとは分からずにいました。仕事を辞め、家族を残し、吉川の住む札幌に来たのは、吉川の妹・ふじ子が理由だとは断言できず、「二十三歳の信夫の感傷」と受け止めます。

『山下清展ー百年目の大回想』

日本各地を放浪した天才画家・山下清の回顧展「生誕100年 山下清展―百年目の大回想」が、東京・新宿のSOMPO美術館で開催されている。山下の幼少期の鉛筆画から、49歳で亡くなる直前まで描いていた『東海道五十三次』シリーズの一部まで、約190点を鑑賞できる。 山下は貼絵画家という印象が強いが、ペン画や水彩画、油彩などの技法でも作品を創作した。1922年に生まれ、幼少期は関東大震災による実家の焼失、重い消化不良の後遺症による言語障害、父親との死別、同級生からのいじめなど、立て続けに災難に見舞われた。

世界初、無線電話を発明、電気試験所長 鳥潟 右一

携帯電話は現代人の必需品だが、その基礎技術を発明したのが秋田県生まれの鳥潟右一である。 世界で初めて無線に音声を乗せる電話機を発明し、離島や船舶の航行に大きな利益をもたらす。東京と上海間の無線通信にも成功し世界をあっと驚かせたが、電気試験所長の時に40歳で病没し惜しまれる。今年は没後100周年で記念行事が催された。

秋田竿燈まつり

7月の豪雨災害の復旧途上、そして「5類」となったコロナ禍の中で、8月3日から6日まで「秋田竿燈まつり」が秋田市の竿燈大通りを主会場に行われた。4日間とも快晴が続き、去年より30万人多い110万人が全国から訪れた。 華やかで軽快なお囃子と次から次へと繰り出される差し手の妙技に大きな拍手が起こる。東北三大祭りの一つで、国の重要無形民俗文化財。

第6回スポーツにおける家族のかたち ②

親子3世代の物語 野球をベースに実質3世代の物語を紡いでいるのが、野球漫画・アニメ作品の「MAJOR」(作・満田拓也、全78巻、小学館)です。現在「MAJOR 2nd」(作・満田拓也、既刊26巻、小学館)が連載・発刊中で、アニメ化もされています。 田中将大投手(写真)、前田健太投手など、現役・元プロ野球選手の中にも多くのファンを持つ作品でもあります。

「北の縄文世界と国宝」展 北海道博物館

縄文・美の造形と1万年の歩みを読み解く 狩猟や漁労、採集を成業としながら1万年以上にわたって定住生活が存続したとされる縄文時代。その時代の変遷や生活の在り方を示す北海道・北東北の縄文遺跡群が2021年7月27日、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界文化遺産に登録されたことを記念して北海道博物館は7月22日から10月1日まで特別企画展「北の縄文世界と国宝」を開催している。開催日前日の21日、同館では報道陣向けに展示説明会を行い、開催の意義と見どころを説明した。

『エリザベート 1878』

舞台などでも人気の演目『エリザベート』で思い浮かぶのは、輝くように美しい皇妃の姿だ。19世紀末のオーストリアに実在したエリザベート皇妃は“シシィ”の愛称で親しまれ、「ヨーロッパ一美しい」と称えられる美貌を誇っていた。本作では1878年、40歳のエリザベートにスポットライトを当てる。史実ではこの年の出来事ではない後年の逸話やフィクションも交え、1年間の物語を描く。

最新記事