蔦重が見た江戸文化

≪5≫遊女たちの信仰世界

「べらぼう」の第1話で、火事になった吉原からお稲荷さんを助け出そうとする少女が描かれていた。彼女らにとっては、日ごろから拝んでいるお稲荷さんが、命よりも大切な存在だったのであろう。当時、「新吉原」には廓の守護神として五つの稲荷社が祀られていた。

≪4≫言葉遊びから文芸へ 狂歌に浮世絵を付け出版

万葉の時代から日本人は、自分の心の中を歌として言葉にすることで表現してきた。それが定型化されて五・七・五・七・七の和歌になり、次いで五・七・五の発句と七・七の脇句の、長短句を交互に複数人で連ねて詠んで一つの歌にしていく連歌が生まれた。

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